オンラインさんさん教室の記録
学部4年 臼田 真優オンラインさんさん教室の目的は以下の通りです。 この教育相談の狙いは,小学高学年から中学1年程度の内容を題材にして、オンラインでタブレットを用いた学習をする機会を定期的に持つことで、タブレットを用いた学習スキルの維持向上と、できれば学習への成功体験を積む中経験を通して、休校措置後の学校再開への自信を醸成することです。
そのために考えていること。
・活動中に、タブレットを活用した学習スキルの獲得、定着を促す場面を設ける。
(漢字の読み仮名を振る場面、書きやすいサイズに拡大して書く場面、記録を残す場面等)
・家庭で揃えることができる道具を使った活動、短時間で授業者が準備できる内容にする。
・タブレットの操作については、事前学習ビデオなどで練習できる機会を設ける。
(GoodNotesの操作練習等)
・事前に準備について告知することで、学習するために主体的に準備することの大切さを学ぶ機会を作る。
・見通しを持って主体的に活動できるようにワークブックを作成する。
・ワークブックの章立ては一貫した体裁となり、安心して取り組めるようにする。
・ワークブックは文字の説明と併せて写真等の画像を用い視覚化教材を用いる。
・教室の最後は、振り返りの場面を作り、学びを共有し、促進する。
・教室の後に、学びが次に繋がるように発展的な内容を織り込む。
8回目(5月26日実施)の様子を紹介します。
本日は、5人の方が参加してくれました。
1 事前:参加のための準備をしてもらいます。
事前に、以下のファイルをML経由で送って、準備してもらいます。
これまでの学習を活かし、
・メールを受信する。
・メール添付のPDFをGoodNotes5に入れる。
・漢字の読み方を調べて、読み仮名を書く。
を事前に各自で行えました。
2 オンライン学習支援(当日)
当日ターゲットとした合理的配慮としてのICTのスキル内容は、
・My Script Calculatorを使用して計算をする。
・My Script Calculatorでの計算をコピーしてGoodNotesに貼り付ける。
・ペンやキーボードなど、自分が文字を入力しやすい方法を選択して使用する。
・写真を撮影してGoodNotesに貼り付ける。
・URLをコピーしてSafariで貼り付け、動画を視聴する。
・動画を視聴しながらスクリーンショットを撮影する。
・スクリーンショットをGoodNotesに貼り付ける。
・応用問題を解いて,メール添付で送り返す。
です。
これまでと同様に、Zoomを使用し、利用者には作業用iPadとZoom中継用のデバイスを準備して参加してもらいました。
授業者は、パソコンの拡張デスクトップをZoomでうつしました。そこに、iPadの画面(Reflectorで中継)や、書画カメラなどを写しました。
また、Zoomの画面で今何をする時間かをイラストと文字で示しています。このイラストはiPadで出し、Reflectorで中継してうつしました。使用したイラストは、例えば右のようなイラストなどです。
さらに、前回からOBSというアプリを使っています。このアプリで、画面共有する画面のレイアウトを編集したり写す画面を切り替えたりしました。
本日の学習内容は「球の表面積を求める」という課題です。
オンラインでの授業に慣れてきた参加者が多いのか、本日の授業では、参加者がZoomのグッドで反応してくれることや、「待ってください」と自分の進捗具合を伝えてくれる場面も多く見られました。
最初に、GoodNotesでのページの差し替え作業を行いました。事前にファイルをPDFで送っており、参加者はGoodNotesに入れていましたが、今朝改良したページをPDFで送りました。GoodNotesは、PDFのページを消したり挿入したり順番を変えたりする作業ができますので、参加者が自分で活用できると良いと思います。
授業者は、参加者に「どう操作したらページを差し替えられるかな」と問いかけましたが、参加者からは解答がありませんでしたので、授業者が書画カメラで操作の様子を見せながら一緒に作業しました。
次に、右のプリントを見ながら事前課題の出来具合を確認しました。事前に答えまで考えられていた参加者も数人いたようです。
考えた式や答えを、参加者に聞きながら進めました。授業では、以下のようなやりとりをしました。一人の参加者と授業者だけでのやりとりにならないよう、他の参加者にも同じか尋ねるなどの関わり方をしています。
参加者A「式は、5×5×3.14で、78.5。」
授業者「答えはなんて書こう?」
参加者A「78.5cm」
授業者「ここ(指数を指して)は2でいいかな?面積だから、平方センチメートルだね」
授業者「他の皆さんもいいでしょうか同じですか?」
参加者B「はい。」
参加者C「3.14はπ」
授業者「そうだね、中学生はπだね」
次に、右のプリントを見ながら、各自用意している球の直径を測りました。
授業者が実際に測り方を見せ、同じように参加者も作業しました。
測っている場面の様子は、各自写真を撮って記録しています。
少し時間をとったあと、授業者が「できたかな」と尋ねると、「待ってください」や、「あと少しです」などと反応してくれた参加者もいました。
できた人にはZoomで手をあげる機能を使ってもらい、授業者が把握できるようにしました。
次に、動画を見ながら学習する方法を学びました。事前に送っている授業プリントには、動画のURLが貼ってありました。これをコピーして、各自で視聴する時間を設定しました。動画を視聴する際には、重要なところをスクリーンショットを撮りながらみて、後から見返す方法も紹介しました。
今回の動画は、円の面積の求め方についての動画と、球の表面積の求め方にについての動画の2本です。どちらも事前に授業者が作成し、YouTubeにアップしている動画です。
円の面積についての動画は以下のURLから視聴できます。
https://youtu.be/oOv4EwU4w1w
球の表面積についての動画は以下のURLから視聴できます。
https://youtu.be/JyK41ktnoW8
授業の進め方としては、まず円の面積についての動画を視聴してもらい、まとめる時間をとり、全員ができたことを確認してから球の表面積についての動画に進みました。
動画を観た後に、参加者は以下の3点について各自でまとめました。
①動画のタイトル
②何をどのように測っていたか
③紐で測った際の面積はいくつか
各自でまとめる活動は、3分間の時間を設定して、タイマーをZoomでうつし、残り時間が参加者も確認できるようにしました。
また、①②③のうち考える際の優先順位を示し、③から取り組むことを指示しました。
面積を求める際には、My Script Calculatorを使って計算しても良いこととしています。その場合には、iPadで画面分割をして表示すると便利であることを紹介し、その方法も説明しました。
また、My Script Calculatorは、複数の計算式を同時に表示ができることも伝えました。
次に、球の表面積と円の面積の関係について考えました。考える際には、授業者が「球の表面積は〇〇の△△倍」というように穴抜きで示し、考えやすくしました。
参加者は、「球の表面積は、円の面積の約4倍」と答えてくれました。
ここで、考える際の球と円の関係を考えました。
授業者が「球と円は何かが一緒でないといけません。何かな?」と尋ねると、参加者は「直径」と答えてくれました。
球と円の直径が同じであれば、球の表面積は円の面積の4倍になるということを確認しました。
次に、球の表面積を求める公式を考えました。各自で考える時間をとり、2分間でタイマーを設定しました。
考えた公式を発表してもらう場面では、以下のようなやりとりをしました。参加者二人の意見を合わせて、良い公式ができました。
参加者C「球の表面積は、円の面積×4」
授業「そうですね!円の面積はどうでしたっけ?」
参加者B「半径×半径×3.14、またはπ」
3 事後:以下のプリントに振り返りと応用を書き加えて、作成したファイルをメールで送ってもらいます。
振り返りとして、球の表面積を求める式を自分の言葉でまとめる課題を提示しています。
また、応用問題として、円柱の側面積と球の表面積を求める課題も提示しています。
わからないことがあった場合には、お家の人に相談したり、メールで授業者に尋ねる方法も伝えました。