オンラインさんさん教室の記録
学部4年 臼田 真優
オンラインさんさん教室の目的は以下の通りです。
この教育相談の狙いは,小学高学年から中学1年程度の内容を題材にして、オンラインでタブレットを用いた学習をする機会を定期的に持つことで、タブレットを用いた学習スキルの維持向上と、できれば学習への成功体験を積む経験を通して、休校措置後の学校再開への自信を醸成することです。
そのために考えていること。
・活動中に、タブレットを活用した学習スキルの獲得、定着を促す場面を設ける。
(漢字の読み仮名を振る場面、書きやすいサイズに拡大して書く場面、記録を残す場面等)
・家庭で揃えることができる道具を使った活動、短時間で授業者が準備できる内容にする。
・タブレットの操作については、事前学習ビデオなどで練習できる機会を設ける。
(GoodNotes の操作練習等)
・事前に準備について告知することで、学習するために主体的に準備することの大切さを学ぶ機会を作る。
・見通しを持って主体的に活動できるようにワークブックを作成する。
・ワークブックの章立ては一貫した体裁とし、安心して取り組めるようにする。
・ワークブックは文字の説明と併せて写真等の画像を用い視覚化教材を用いる。
・教室の最後は、振り返りの場面を作り、学びを共有し、促進する。
・教室の後に、学びが次に繋がるように発展的な内容を織り込む。
3回目(5月8日実施)の様子を紹介します。
1 事前:参加のための準備をしてもらいます。
事前に、以下のファイルを ML 経由で送って、道具を準備したり復習したりしてもらいます。右下の2つのファイルについては、印刷して具体物を準備してもらいました。
これまでの学習を活かし、
・メールを受信する。
・メール添付のPDFをGoodNotes5 に入れる。
・追加のメール添付のPDFをGoodNotes5 に追加ページとして挿入する。
・PDFを印刷する。
を事前に各自で行えました。2 オンライン学習支援(当日)
・カメラで写真を撮影する。
・写真をGoodNotes5に貼り付ける。
・GoodNotes5にペンで書き込みをする。
・GoodNotes5で書き込みをする際、「図形ツール」をつかって直線を引く。
・アプリ My Script Calculator を使って計算をする。
・アプリ My Script Calculator での計算式と結果をコピーして,GoodNotes5に貼り付ける。
・Zoom の「手をあげる」機能を活用して自分の意思を伝える。
・ファイルをメール添付で送り返す。
です。
第1回・第2回と同様に、Zoom を使用し、利用者には作業用 iPadとZoom中継用のデバイスを準備して参加してもらいました。
授業者は、パソコンの拡張デスクトップをZoomで画面共有しました。 そこに、iPad の画面(Reflectorで中継)や、書画カメラなどを写しました。
最初に、右のプリントで事前に参加者が復習として取り組んでいた、各図形の名称を確認しました。その際に、参加者は、どうしてそう言えるのかについても説明をすることができました。発言は参加者が全員できるように配慮し、授業者が順番に促しました。
参加者は、「(あ)は長方形。向かい合う辺が平行で、…。」と上手に言葉で説明することができました。“向かい合う辺”、“平行”など、先に発表した参加者の言葉を聞いて、ほかの参加者もキーワードを使って説明することができていました。
また、下のプリントで図形の関係を整理しました。加えてマインドマッピングで思考が整理できるアプリSimpleMind +を紹介しました。
次に、右のプリントで、様々な三角形の面積を求めました。
参加者は、事前に送っていたPDFファイルを印刷して、具体物の三角形と方眼用紙を手元で操作し、操作した様子をカメラで撮影し、GoodNotes5に写真を貼り付け、文字を書き込みながら活動しました。これらの操作は、まず授業者がやってみせ、同時にその様子を言葉でも説明しました。
授業者「四角形はどこにできるの?」
参加者A「三角形の長さが等しい辺をあわせてください」
授業者「こうですか?(右の写真の状態)」
というやりとりがありました。
今日のSTEP1の学習を思い出し、確かにこの形も四角形と言えることを確認しました。四角形である条件として、向かい合う辺が平行であるということが挙げられますが、そこで授業者が「この図形の辺が平行ってどうしてわかるの?」と問うと、方眼の線に沿う辺は平行と説明できるものの、もう一方の向かい合う辺についても平行であるという説明は難しいようでした。分度器がない状態なので角度は測れないという場面で、どうしたら平行が証明できるのか、悩んでいました。
参加者の一人が、三角形の1つをずらしていき、重なるということで証明できるという考え方を説明してくれました。参加者が考えた後、授業者から、辺の傾き具合を方眼のマス数を使って確認する方法を説明しました。
このようなことから、三角形を2つ合わせた図形は四角形であると言え、底辺×高さ÷2で三角形一つ分の面積が求められると確認しました。
(い)(う)(え)の様々な三角形についても、(あ)と同様に、底辺×高さ÷2で求められるのか、考えました。
参加者は各自で、具体物を操作し、写真を撮り、GoodNotes5で書き込み、式を考えました。
以下のプリントに写真を貼り付けたり書き込んだりして、各自考えをまとめられました。計算は、アプリMy Script Calculatorで検算をし、計算式と答えをスクリーンショットで撮影し、プリントに貼り付けました。個別に思考する時間は、以下の写真のようにタイマーをうつして共有し、活動に見通しが持てるようにしました。
その後、考えたことを共有しました。
発表する際には“cm”などの単位も忘れずに付けることを授業者が促し、参加者が何の数値を言っているのか本人や他の参加者にも明確になるよう配慮しました。
参加者が各辺の長さを発表すると、授業者がiPad上でGoodNotes5に貼り付けた図形の写真に書き込んでいき、共有しました。Reflectorで中継してiPadの画面をパソコンに写し、その画面を画面共有することで、黒板のように参加者の考えをまとめて外化し共有することに効果的であったように思います。
(あ)(い)(う)(え)の三角形の面積を確認すると、すべて面積が等しいことがわかりました。授業者が、どうして等しくなったのか問うと、「底辺と高さが同じだから」と答える参加者がいました。
今回学習した三角形の面積の出し方が、これから学習する円の面積を求める際にも活用できることを伝え、今後の学習への関心を促しました。参加者は、授業者の説明をきいて、「おぉ〜」とこれからの学習に意欲を持っている様子でした。
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