2020年5月8日金曜日

正と負の数の加法と減法を攻略する

広島大学大学院人間社会科学研究科附属特別支援教育実践センターでは氏間和仁研究室も教育相談,学習支援を行なっております。

その中で,中学生の正の数と負の数の加法と減法の攻略について考えています。

まず,よく事例として登場するのは,数直線を用いた指導。

最近効果を感じているのは,
プラスマイナスくんです。

数直線と併用する両面刷の人形です。

1 まずは正の数だけの足し算と引き算
 数直線を用いて,+面だけで(小学生のときは,+がなくてもよい)使います。

足し算の場合,例 5+3

1 プラスマイナスくんを0に置く。
2 数直線の5に進める。
3 3を「+」(たす)ことを確認し
4 足すだから,3つ前進させる。

引き算の場合,例 9−4

1 プラスマイナスくんを0に置く
2 数直線で9に進める。
3 4を「-」(ひく)ことを確認し,
4 引くだから,4つ後進(バック)させる。

ここで大切なのは,プラスは,前進,マイナスは後進というイメージを共有すること。
もし,数直線だけで難しいようであれば,数挑戦を用いる前に,教室の床に大きな数直線をテープで貼って,子供自身が動いて,
「9+5」だから,まず9へ行こう
つぎ,五を足すんだけど,前に進む? 後ろに進む?などといったやりとりをしてみよう。
十中八九,足すだと前進,引くだと後進するだろう。


中学生になって,正の数と負の数が登場したら,両面刷のプラスマイナスくんを使おう。
正の数,負の数の符号はでプラスとマイナスの面を切り替える。
足すと,引くでの前進と後進は,先と同じ。

例 15+(-4)
1 プラスマイナスくんを0に置く
2 15だから,数直線の15に進む。
3 符号がマイナスなので,マイナス面にする
4 4つ足すから,4つ進む
5 自然と,11に止まる


例 -3+(-5)
1 プラ数マイナスくんを0に置く
2 -3だから,マイナス面にしてマイナス3に進める
3 マイナス5なので,マイナス面を出す
4 -5だから,マイナス面のままで
5 足すかだから,5進める
6 自然と-8に止まる

例 +20-(-19)
1 プラスマイナスくんを0に置く
2 +20なのでプラス面のまま,20まで進む
3 -19なので,マイナス面にする
4 引くなので,19バックする
5 自然と39に止まる

ゼミ生の大学院生が家庭教師で使って助言を受けて,目をつけるのも良いようです。

大切なのは,

プラスで,進む
マイナスで,下がる

という感覚を共有することです。
これを教え込んではもとも子もありません。

困っている生徒がいたら,
ぜひ,一度試してみてください。

小学生の算数でも,効果的です。


操作方法の動画



プラスマイナスくん 数直線のPDFファイル

http://home.hiroshima-u.ac.jp/ujima/kyouzai/purasumainasukun.pdf

小数点がある数直線のPDFファイル

https://home.hiroshima-u.ac.jp/ujima/kyouzai/suutyokusen.pdf

私たちは,単に,このアプリが良いといったことだけでなく,効果的な教材を組み合わせて,学習法や教授法をご提案しています。


ご感想歓迎です!
・・・・・・<ご感想を頂戴しました>・・・・・・
こんばんは。 夜分に失礼いたします。 本年度の中1に、早速プラスマイナス君を使用させていただきました。 手元に数直線があること、左右どの方向に動いたらいいのかが実際に分かりやすいこと等、例年の中1達と比べ非常にスムーズに理解にいきつき、びっくりしています。そして、自分でプラスマイナス君が移動できるので、説明の際に指導者が毎回紙の端に数直線を書かずにすみ、全体指導としてもてもスムーズに進みます。 加減法は教科書の説明も難しく、通常発達でも方向感覚に苦手を持つ生徒さんは、特に混乱する子が多い箇所です。 また、プラスマイナス君に髪の毛を書いたり、それぞれ自分オリジナルのキャラクターにすることによりキャラクターに親近感がわき、それも楽しんくれる所のようでした。 これからも使用させていただきたいと思います。 本当に有難うございました! ひとまずお礼まで…

(兵庫県・F先生)


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