2018年7月17日火曜日

視覚障害「自立活動」指導法I 第11講・12講

本日の,視覚障害「自立活動」指導法Iの授業です。本日は,先週,台湾出張だったため,5・6コマ(16時20分から19時35分)で授業を行いました。学生のみなさんがよく了解してくれます。
本日は,第11講・12講,視覚支援法の中の,相対距離拡大法のお話でした。はじめに,ICFの話で,支援についてみなさんと議論しました。
支援というと,環境因子へのアプロートに眼が行きがちだが,滑動性を上げる視点も大事だよねー。といったことで,合意を得て,拡大鏡の話へと入って行きました。

拡大鏡の選定手順として,私の授業で抑えているのは,
1 近見視力の実測
2 必要倍率の計算
3 必要視距離の計算
4 必要な屈折力の計算と拡大鏡の選定
選定後,拡大鏡が適正に利用できているか,実測する。
といった手順,シンプルなのですが,学生のみなさんにとっては,なかなか難解な模様。なので,グループの中で,役割を変えて,何度も何度も,体験してもらいます。ゴーグルも2種類をかけかえて,やってもらいます。

そうして,選定した拡大鏡で,ランドルト環を読んだり,本を読んだりしてもらいます。やはり,本を読むと,いろいろと思うところがあることが,感想文からわかります。

その後,ランドルト環の字詰まり指標を用いた,トレーニング法をみんなで体験して見ます。
すると,1回目より3回目の方が,小さい視標まで酔えるようになって行きます。視距離の取り方と,視標の動かし方が身につきます。とても簡易で,実効性の高い方法だと思っています。

以下,超えんとシートより。

今まで学習してきた知識は、環境因子に働きかけるものであり、子どもの将来のことを考えると、それだけに頼ってしまうのは良くないと感じました。拡大鏡の使い方を身につけるなどの「活動」を向上させることも指導していく必要性を強く感じました。拡大鏡を用いることで見えやすさが大きく違ってくることを、体験的に学ぶことができました。

どう支援するか、について、教師が整えることのできる環境因子が大切だと思っていましたが、それだけでなく活動性の向上も重要なのだということがわかりました。教師の独りよがりにならないような支援を考えていかなければならないのだと感じました。
拡大鏡について、拡大鏡を使えば簡単に大きく見えるようになると思っていましたが、しっかりとピントを合わせるのは難しく、思った以上に目が疲れる作業でした。実際にやってみなければわからないことがたくさんあると改めて感じました。

屈折力や焦点距離など1年生の時の計算の仕方や近見距離の測り方など今までやったことをまとめたり新しい計算の仕方が合わさっていて理解するのに時間がかかったけどグループの人に聞いて理解できて、記録するときに聞いて実践しながらできたからよかった。

拡大鏡の選定の仕方を初めて知りました。いろいろな手順があって覚えることが大変そうです。必要倍率と必要視距離の求め方が特に混乱しそうです。今回の小テストは自信があったけど、解答を見ると3つ間違えていたのでショックでした。次回も頑張りたいです。

単眼鏡の選定方法について実際に測定からすることで理解することができた。ところどころ戸惑うところもあったが、何度か繰り返すうちにスムーズに測定、選定することができるようになった。実際に選定した単眼鏡を使うと、ランドルト環や雑誌の小さな文字も読めて感動した。

実際に見れるように計算するということは、とても実践的でした。
また環境因子は教師の配慮によって変わるということがわかったので、子供がどのように見えているかを子供の目線で考えることが必要だと思いました。

拡大鏡の選定を行うことで、子どもの目と見る対象のものの適切な距離を知ることができるので、支援するとき、子どもの実態を把握したうえで行うことができると感じた。
また、実際に光などの環境を変えて試してみることでどのような環境がより弱視者にとって見やすいのかを体験的に分かるので、いろんな条件で試していくことが大切だと思った。


環境因子を整えることは大切だが、全てを準備してしまうと将来困ることが多いと思うので、自分で活動できる力をつける支援をすることも大切だと思いました。その中でも、基本的な環境を整えることで学習しやすくなるので、今日学んだ環境の整え方を活かしていきたいです。

ランドルト環の指標を見る分には変化はありませんでしたが、雑誌などの文章を追っていくときには、ライトの有無による違いが顕著でした。
環境や条件によって得られるものは変わってくるという気づきが大きかったと同時に、それらの気づきを多く発見できることは科学的想像力を養っていく一歩だと感じました。


実際に拡大鏡を使用してみると、くっきりと映っており、分かりやすかった。しかし、視野が狭いので読みにくさもあった

拡大鏡の電気ありとなしでは、見え方が全然違った。環境因子を変えるだけではなく、拡大鏡みたいな器具を使うことで見えることができるということが体験できた。

拡大するにも、いくつか種類があり、時と場合に合わせて適切な拡大法を選別することが大切だということが分かりました。

拡大鏡の選別では、自分に合った拡大鏡がなかったので、小さい倍率の拡大鏡を使ました。拡大鏡を使うとどうしても視野が狭くなってしまうので、自分がどこを今読んでいるのかが分かりづらかったです。このことを踏まえて、弱視の子供への支援方法を考えていかなければいけないと思いました。

ICFの考え方で、活動因子に目を向けることが重要であると学びました。環境因子を変えることでその子供の困難が改善するとしても、その支援が将来も継続できないものであるならば、活動の方に視点を移して考えるべきだと感じました。

どのように支援するかというところで、環境因子を教師が科学的想像力によって支援していくことは大切なことではありますが、子供たちがその支援があって当た



り前であると考えないように支援の仕方を考えないといけないと思いました。

測定した視力値によっては、拡大鏡適応範囲外で、タブレットなどを用いて拡大する必要があることが分かった





写真の説明

写真1

本日使用する,拡大鏡のセットを並べている様子。



写真2

選定した拡大鏡で本を読んでいる様子。

私は,片手で持てる程度のものであれば,手でもって,そして,その手を動かして読むことをお勧めしています。これが,紙を置いて読むよりも,めちゃくちゃ速く読めます。



写真3

こちらは,本を置いて読んでいるところ。


写真4

これが,近見視表のランドルト環でトレーニングしているところ。これが,結構いいです。拡大鏡のトレーニングって,これを毎日やれば,十分だと思います。

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