2018年3月11日日曜日

さんさん教室3月

3月のさんさん教室
本日のさんさん教室は,2つのケースでキャンセルがありました。年度末,みなさん疲れがたまっておいでのようです。

午前,1ケース(1枠)
午後,7ケース(8枠)
のご利用をいただきました。ありがとうございました。

さんさん教室の利用者は,発達障害や学習に困難を感じている子供達に多く利用していただいております。

11:00
 数学を中心とした学習方略を見つけることをテーマに学習に取り組みました。本日が,初回でしたので,いくつかの問題にトライしてもらいました。ほぼ100点でした。その後一つ一つの解答過程をインタビューしながら,解答行動をメタ認知していただくことと,我々が解答行動を理解していきました。宿題をお願いし,これからの方針に生かすことになりました。

12:30
 学習全体に対する自身が低いお子さんです。これまで理科の実験を中心に行って来ましたが。本日からは,プログラミング教育を行っています。担当者と会話を楽しみながら,仮説して検証する活動を行いました。終わった時には「簡単だった!」とおお言葉がありました。次回は,もっと手強い内容を準備しましょう! 学ぶためには実際の発達レベルを的確に捉え,潜在的発達レベルの活動へ誘うことの大切さを学ばせていただいているケースです。

 文字の書きの学習を行っているお子さんです。本日は促音と拗音を取り扱いました。文字は,個別に取り出した学習も必要ですが,有意味受容学習として,文脈の中で,さらには,必然的な作文の中で利用することが大切であると考えております。さらには,タブレットに書くことで,間違ったらすぐに,綺麗に消すことができるなど,書くことへの抵抗感が下がり,たくさん書くことができます。大切なことは,道具ではなく,目的であることを学ばせていただいているケースです。

14:00
 適した学習方法を構築することで,安定した学習経験を積めるようにすることを狙いにしているケースです。強化子をどのタイミングで,どの程度のプリファレンスの強化子を用いるか? 学習の課題の難易度や量をどう設定するか? 物理的な環境設定を彼に応じて設定するにはどうすればよいか? 様々な学習の基本的な姿勢を学ばせていただいているケースです。

 高校進学に際して,どのようにツールを導入するか,検討しているケースです。 iPadを導入することで,明らかに文章の内容や質,漢字の使用頻度が向上することは,この3ヶ月で証明されました。つまり,漢字を思い出して買いたり,書き直したりすることにストレスがなくなったことにより,今まで,書きたくても書けなかった文章が,どんどん書けるようになっています。このケースは,写がきができるので,タブレットで下書きをして,それを手書きで提出することもされているようです。一つ一つの操作を確実に習得しながら積み上げていっています!

14:30
 文で表出したり,要求したりすることが苦手なお子さんですが,理科の実験はとても好きなお子さんです。具体的に手指を動かして,事象を文章化して発表する,その際,iPadで写真を撮ってつなげていくことで思考を外化し,整理しやすくしています。また,PECSを利用することで,要求できる体験を積んでいます。

15:00
 抽象概念の操作は得意ですが,日常の事象と関連づけて考えることが苦手なお子さんです。こちらも理科の実験を行い,手指をしっかりと使って,体験的に学んでもらい,それを理論化する過程を体験してもらっています。ワークブックに沿って,進めることで,思考の過程を外化して後で確認できるようにしています。もちろん,ワークシートはiPadの中にありますから,実験の様子は,写真で撮ってそれを貼り付けます。なので,記録に時間を取られず,思考することに十分な時間をかけることができます。また,最近では,画面上でワークシートを拡大して書くことをはじめ,そのことで次兄も整ってかけるようになっています。

15:30
 学校でのタブレット導入について3ヶ月間一緒に考えて来ました。文字の学習では,空書き,マス書きを行い,その際タブレットも導入することで彼が書きやすいマスのサイズを設定しています。

みなさんと一緒に学ぶことで,適性処遇交互作用の重要性を学ばせていただきます。写真や絵で見て,理解が進むお子さん,一つ一つ順序立てて情報を入れることで,理解が進むお子さん,また,大きめのマスに書くと字形が整うお子さん,逆に小さめのマスで書くと書きやすいお子さん。

平均的な環境で力を発揮できる子供たちはたくさんいますが、その平均的な環境ではなかなか実力を発揮しにくいお子さんも一定数おいでます。そのときに、社会はどう対応するべきなのか?
平均的な環境に押し込み活動性を下げたところからスタートして、押し込まれた状況での身の処し方を身につけることを訓練と称して、進めるのか。
個別的な環境を提供して、活動性を維持して、参加の機会を平等に享受できるようにして、力を伸ばし、余力ができたところで、平均的な環境への適用法を身につけていくのか?
教育の機会均等が憲法で定められ、障害者の権利に関する条約に批准し、障害者差別解消法が施行されている法治国家日本において、どちらの選択がより適当なのか?難しい話ですが、これからも考え続けてまいりたいと思います。
最も好ましくないと思うのは、これまでのやりかたになんの疑問も持たずに、行動を起こさないことだと思います。

利用されるみなさまと,学生のみなさんと一緒にこれからも,氏間研究室は学び続けて参りたいと思います。








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