弱視の支援のポイントを挙げてください!
と言われて,何を挙げますか? 私たち専門家は,こういったポイントを常に頭の中に入れておくことが,まず,支援の第一歩といえるでしょう。だって,例えば、弱視の子供が目の前にいて,「何をしようかな」と思った時,支援を組織しいようとするとき,思いつきや,手当たり次第の提案では,到底専門家とは言えないからです。それだったら,その辺の大人を連れて来たっってできます。
専門家と言われるからには,どの専門家が関わっても,ミニマムな提案は共通されていて保障されている必要がある。そのためには,共通するフレームを頭の中に常に持っておくことが必然だと思われます。
専門家と言われるからには,どの専門家が関わっても,ミニマムな提案は共通されていて保障されている必要がある。そのためには,共通するフレームを頭の中に常に持っておくことが必然だと思われます。
弱視者の支援のポイントは!
私が,授業や,教員の研修会などで申し上げているのは
1 大きく
2 はっきり
3 ゆっくり
の3つです。
私が,授業や,教員の研修会などで申し上げているのは
1 大きく
2 はっきり
3 ゆっくり
の3つです。
それでは,それぞれについて説明をします。
写真1をご覧ください。横軸が空間周波数,縦軸がコントラスト感度です。つまり,コントラスト感度曲線ってやつです。コントラスト感度曲線を測定すると,このような山形になります。だいたいピークは3-5c/d にきます。この山形が何を意味するか。それは,このグラフより上の物理的条件を持った視対象物は見えず,下の物理特性を持った視対象物は見えるということです。グラフの上側の曲線は晴眼者の平均的な曲線,下の曲線はあるロービジョン者の曲線です。そうすると3つのエリアが現れます。つまり,(エリア1)2曲線の上,(エリア2)2曲線の間,(エリア3)2曲線の下です。エリア1の物理特性をもった視対象は問題になりません。なぜなら,ロービジョン者のみならず,晴眼者も見えないから,それを取り上げてコミュニケーションすることはありえないからです。ちょうど,空気中の花粉を指差して,「あ,今,花粉が,あなたの鼻の穴につかづいてるよ。」「え? ほんと,私見えない。」なんて会話はありえないのと同じです。エリア3も問題ありません。なぜなら,晴眼者はもちろん見えていますし,あるロービジョン者も見えていますから,そのそんな物理特性をもつ視対象を指しての会話は成立するからです。問題は,エリア2です。つまりこの物理特性をもった視対象は,晴眼者は見えて,ロービジョン者には見えないからです。晴眼者が話題にしても,その話題をロービジョン者は理解できない。そりゃそうです。アフォーダンスが成立しないのですから。だとすると,どういった支援があるか。図中の矢印2つ(SとC)に注目します。つまり,空間周波数が高いから見えないのだから,それを上げれば良い,つまりSの矢印です。これは拡大(4つの方法がありますね)になります。そして,Cの矢印,つまり,コントラストが低くて見えないのだから,コントラストを上げれば良い。ということです。ただ,ここで注意すべきことは,網膜像の拡大とコントラストの向上ということと,拡大については,単に大きくすれば良いというわけではないという点です。この2点に注意を要することを知っておく必要があります。そして,ロービジョン者は,「あるロービジョン者」としています。それは,図2をみて欲しいのですが,ロービジョン者の場合,眼疾患の種類や程度等によって,コントラストが千差万別なのです。この点も注意を要します。
図3を見てください。これは,Cornが示した,視活動に影響を与える,3つの側面です。その中で,環境手がかりが支援の一つとなります。Cornは,配色,コントラスト,時間,空間,明るさの5つを要素として挙げています。これらを,さきの「拡大」と「コントラスト」に振り分けると,拡大は空間,コントラストはコントラスト,配色,明るさがそれぞれ対応します。つまり,コントラスト感度曲線の説明で説明しきれないのhが「時間」です。ロービジョン者は,速すぎたり遅すぎたりする変化を視知覚しにくいです。なので,時間をコントロールすることが重要となります。
写真1をご覧ください。横軸が空間周波数,縦軸がコントラスト感度です。つまり,コントラスト感度曲線ってやつです。コントラスト感度曲線を測定すると,このような山形になります。だいたいピークは3-5c/d にきます。この山形が何を意味するか。それは,このグラフより上の物理的条件を持った視対象物は見えず,下の物理特性を持った視対象物は見えるということです。グラフの上側の曲線は晴眼者の平均的な曲線,下の曲線はあるロービジョン者の曲線です。そうすると3つのエリアが現れます。つまり,(エリア1)2曲線の上,(エリア2)2曲線の間,(エリア3)2曲線の下です。エリア1の物理特性をもった視対象は問題になりません。なぜなら,ロービジョン者のみならず,晴眼者も見えないから,それを取り上げてコミュニケーションすることはありえないからです。ちょうど,空気中の花粉を指差して,「あ,今,花粉が,あなたの鼻の穴につかづいてるよ。」「え? ほんと,私見えない。」なんて会話はありえないのと同じです。エリア3も問題ありません。なぜなら,晴眼者はもちろん見えていますし,あるロービジョン者も見えていますから,そのそんな物理特性をもつ視対象を指しての会話は成立するからです。問題は,エリア2です。つまりこの物理特性をもった視対象は,晴眼者は見えて,ロービジョン者には見えないからです。晴眼者が話題にしても,その話題をロービジョン者は理解できない。そりゃそうです。アフォーダンスが成立しないのですから。だとすると,どういった支援があるか。図中の矢印2つ(SとC)に注目します。つまり,空間周波数が高いから見えないのだから,それを上げれば良い,つまりSの矢印です。これは拡大(4つの方法がありますね)になります。そして,Cの矢印,つまり,コントラストが低くて見えないのだから,コントラストを上げれば良い。ということです。ただ,ここで注意すべきことは,網膜像の拡大とコントラストの向上ということと,拡大については,単に大きくすれば良いというわけではないという点です。この2点に注意を要することを知っておく必要があります。そして,ロービジョン者は,「あるロービジョン者」としています。それは,図2をみて欲しいのですが,ロービジョン者の場合,眼疾患の種類や程度等によって,コントラストが千差万別なのです。この点も注意を要します。
図3を見てください。これは,Cornが示した,視活動に影響を与える,3つの側面です。その中で,環境手がかりが支援の一つとなります。Cornは,配色,コントラスト,時間,空間,明るさの5つを要素として挙げています。これらを,さきの「拡大」と「コントラスト」に振り分けると,拡大は空間,コントラストはコントラスト,配色,明るさがそれぞれ対応します。つまり,コントラスト感度曲線の説明で説明しきれないのhが「時間」です。ロービジョン者は,速すぎたり遅すぎたりする変化を視知覚しにくいです。なので,時間をコントロールすることが重要となります。
これらを総合して考えると,
弱視者の支援は
1 大きく
2 はっきり
3 ゆっくり
1 大きく
2 はっきり
3 ゆっくり
となります。ただ,上の説明からすると,大きくは大きくしすぎるとうまくいかないことがあるので,適度な,実態に応じた拡大のことを指しますし,ゆっくりは,遅い場合は速くすることもふくんでいることを内包しています。また,拡大とコントラスト向上は網膜像のことを対象にしています。なので直接,視対象への変化を必ずしも求めません。つまり,近づけば視角が大きくなるので網膜像は拡大されます。遮光眼鏡やリーディングスリットなどは,視対象そのものに操作を加えていませんが,網膜像のコントラストは向上します。つまり,問題になるのは網膜像であることも忘れてはいけませんね。
これらの視点は,ロービジョン支援ですが,通常の教育,他の障害の教育でもいかせると思います。
さ,こういった,基本的フレームを共有して,また,連休明けから,質の高い,教育をみなで進めたいですね!
いいね,ご感想,ご批判,お待ちしております。
図1
図2
図3